~所沢航空公園フットサルコートを活用した地域共生コミュニティ形成事業~

 

◆事業概要◆

≪事業の目的≫
限りなく誰もが共にプレーできるサッカーとモルックの開発を通じて地域共生社会の土台づくりに貢献する。

≪事業の概要と狙い≫
子供から大人・高齢者・障害者など多様な人達が共にプレーできるサッカーとモルックの開発を通じて、多世代、障害のあるなし関係なく地域住民が緩やかに繋がり合い、日々の暮らしの中で困りごとがあったり、あたらしいことにチャレンジしようと思ったりしたとき、それぞれが自分の出来ることで協力し、支え合えるコミュニティを形成し、地域共生社会の実現をする。

≪事業対象者≫
埼玉県民・所沢市民を中心とした近隣エリア住民等

≪想定される参加者≫
子供から大人・高齢者・身体障害者・知的障害者・精神障害者・心身機能が低下した高齢者・若年性認知症者

≪事業実施期間≫
令和2年4月~令和3年3月(毎月1回開催)
  ※新型コロナウィルス感染防止のため令和2年7月から開始
  ※モルックは令和2年9月から実施開始

≪主催≫
公益財団法人埼玉県公園緑地協会所沢航空公園管理事務所
鮎川地域共生コミュニティ研究所

≪協力≫
スポーツジャーナリスト・木村 理氏(写真撮影・WEB作成)

 

【ユニバーサルサッカー実施プログラム】

≪開始前≫
開始時間より早く到着する方々が多い中、誰が指示するわけでもなく自然とパス回しや交流が始まる。

 
≪コミュニケーションタイム≫
新規参加者が多かったため、また全参加者の交流促進のため、自己紹介の機会をつくる(肘タッチをしてから挨拶)。

 
≪ウォーミングアップ 1≫
準備体操を初参加の新潟県サッカー協会の方に実施していただきました。

 
≪ウォーミングアップ 2≫
コート外周を参加者全員でウォーキング。不定期に早歩きも入れ歩行速度に強弱をつける。走ってしまう人も出るので笑いが起こり、全体のムードがやわらかくなる

※視覚障害の方を電動車椅子ユーザーがフォローする場面も

 
≪ボール回しリレー≫
チーム分けをしてボールを回すゲーム。毎回実施しているプログラムだが新規参加者が多いので、ゲーム前のコミュニケーション機会として有効なので実施。

 
≪実施プログラム ゲーム≫
参加者みんな一緒にゲームができるルールを考えるながらゲームを実施。

 

【ユニバーサルモルック実施プログラム】

≪練習後に総当り戦を実施≫

 

【来賓のご紹介】

埼玉県議会議員 水村篤弘様

 

【参加者感想 1】

・勉強の為、お邪魔しました。 いろんな所にお邪魔していますが、鮎川代表が目指している個人ではなく、皆で楽しめる、居場所を形成するコミュニティは素晴らしいと感じました。(初参加 60代男性 新潟県サッカー協会)

・セメタリー所沢の墓地に両親が眠っております、彼岸と盆の時に墓参りに行っていましたが、墓から航空公園まで車で10分ぐらい、毎月参加する事で墓参りが出来るようになりました。(都内在住 70代男性)

・初参加させていただきました。皆様の笑顔にやられました。本当に楽しい企画ありがとうございました。近くなのでまた参加させてくださいね!(初参加 50代男性 和光市)

・ルールは参加者の状態に合わせて臨機応変にする! とにかくみんなで楽しめるし、子供もいろんな人と関われたことがとても楽しかったみたいで、車椅子のお二人をどう止めるかについて、今日もいろいろ作戦を押していてくれました(笑)。彼にとっては車椅子の選手は強敵だったようです。もう次が楽しみです。(初参加 40代女性 お子さんと参加)

・車椅子が障害じゃなくて強敵! 嬉しいですね! まさにユニバーサル。子供たちの壁になることが社会の壁を壊すことに繋がります。(30代男性 脳性麻痺)

・本日も沢山の方との出会い、良いお天気のもと本当に楽しかったです。ありがとうございました!(50代女性 視覚障害)

・天気も最高で、ゲームも白熱し、盛り上がりましたね! 予測不能な息子も含め、家族一同宜しくお願いいたします!(40 代男性 理学療法士 ご家族 4 人で参加)

 

【参加者感想 2】

・日曜日は子供を公園に連れて行きながら空いている時間に仕事していたここ数週間。携帯も置き去りにして青空の中思いっきり歩きました! 最近子供たちもなぜか公園でカードゲームをするという、外で遊ぶ意味が分かってないんじゃない? という行動をすることが見られたので、今日は健康的だったんじゃないかな。私も久々のウォーキングサッカー思いっきり楽しみました。何といっても子供と一緒に参加できて、親も楽しめるのが最高!(40代女性 初参加 お子さん二人連れ)

・老若男女、車椅子の方も、視覚障害の方も入り乱れての楽しいイベントでした。障害を持っている人に何かしてあげるんじゃなく、一緒にフラットに楽しめる場って意外と少ないですよね。天気も良く、紅葉もきれいな航空公園で、爽やかな1日を過ごせました。(40代男性 介護職)

・今日もめちゃくちゃ楽しかったです。みなさん暖かいので甘えっぱなしです。性別年齢問わずできて、電動車椅子の方や視覚障害の方とか、運動経験ゼロの私も、うちの4歳・7歳・10歳の男子たちもみんなごちゃ混ぜで遊べる! 素敵なダンディが小学生に怒られたり、みんなが「車椅子~」と叫んだりする面白い場所です。(40代女性 お子さん三人連れ)

・鮎川さん、皆さん今日はありがとうございました。楽しかったです! また、よろしくお願いします。(30代男性 脳性麻痺)

・モルック楽しかったです。ありがとうございました。はまりますね。(50代女性 片麻痺)

 

【参加者の方がブログで感想を(40代女性 お子さん三人連れで参加)】

≪タイトル≫ユニバーサルサッカーってなんじゃい
子供って毎日同じルートで、同じ通学班の子と学校へ行って、同じ先生と、同い年の同じ顔ぶれのクラスメイトと毎日過ごして

お休みの日にはたまにおばあちゃんに会ったりするけど子供の世界ってその同じ顔ぶれでできてて
そんなの息苦しくて狭いなーって。ちょっとした牢獄感あるなぁって思ってた。

世の中には自分たち以外にも老若男女、バラエティーに富んだ人がいっぱいいる。

このユニバーサルサッカーみたいな場があると「みんないろいろ違うけどみんなでひたすら楽しく過ごせる」って
頭で理解するんじゃなくて「当たり前のこと」として受け止められる。

それって子供にとってめっちゃいいって思ってた。でも実は最近私にとっても同じだって気づいちゃった。

母の生活は毎日慌ただしい。幼稚園の役員、小学校のPTA、地区役員、習い事の送り迎え、なんだかんだで1日があっという間だけど、毎日毎日どこに行っても私と同じような子供のいるお母さんばっかりで、私もっとバラエティに富んだたくさんの種類のいろんな面白い人に会いたいって思ってた気がする。

私とは違う毎日を過ごしていて、違うことを思ってて、違う経験があって、性別も年齢も生活環境も違う。

彩り鮮やかないろんな人と太陽の下で夢中でボールを追いかけて点が入ったら心からはしゃいでひじでタッチして
ゴールの前で車椅子にボール当てるとPKになるから、どっちも必死で「車椅子‼ 車椅子‼」とか叫んで

走らないってルールがあるんだけど夢中になって走ったりするとどんな立派なダンディも、小学生に「走るな走るなー‼ ‼」ってめっちゃ怒鳴られる。それって実はすっごくすっごく豊かで幸せなことだなぁって思う。日曜日は過去最多の人数でした。

この素晴らしい経験をこれからもたくさんの人が経験できるといいな~

 

【総評】

参加状況は、ユニバーサルサッカー37名(以下、サッカー)、ユニバーサルモルック16名(以下、モルック)と共に過去最高の参加人数でした。管理事務所の本堂様にもご参加いただき誠にありがとうございました。前回10月が雨天中止だった為、みなさん楽しみにしていただいたようです。水村県議会議員にも参加いただき「確実にコミュニティの輪が広がっていますね」と激励のコメントをいただきました。詳細を見ますと総体的に新規が多く、サッカーでは11名全体の30%、モルックでは8名全体の50%でした。かといって既存の方が減少しているわけではなく全体的に参加者が増えています。参加者の皆様の繋がりと、これまでの実践の積み重ねの結果がよく現れました。またサッカーに関しては、ウォーキングサッカーコミュニティ(以下、WSC)関連で12名の参加があり、サッカー全体の32.4%を占め増員の要因になっております。

コミュニティ内でも様々な良い事象が起きております。運営の手伝いを自発的に行ってくださる方がいたり、精神障害の方でコロナのために閉じこもっていた方が外出機会のキッカケになったり。特に驚いたのはモルックで世田谷在住の片麻痺の方の送迎を所沢在住の方が行ったことで、世田谷から参加を躊躇されていた障害のある方が参加できたことは本当に素晴らしいことだと思い、参加された方も大変喜んでいただいておりました。また、手術をされ入院していた既存メンバーがご夫婦でモルックに参加され楽しまれていたのもとても印象的でした。また、サッカー初参加のお子さんが終了後、車椅子ユーザーの攻略法を考えていたようで、お子さんには車椅子ユーザーに対して障害者という認識が無くなることはユニバーサルサッカーの特性ではないかと考えられます。

遠く新潟県や茨城県からも参加者がいらっしゃいました。新潟県の方はサッカー協会の関係者で、来年当事業を新聞に取り上げていただけるよう知人の新聞社に働きかけていただいているそうです。また今後、在日外国人の参加者が増えてくることを想定し(多文化共生)、英語、韓国語の翻訳をコミュニティメンバーが実施してくれて現在進行中です。

事業終了後は、既存メンバーと新規の方々がSNSで繋がり交流がはじまり、SNSでの発信や繋がりのある方に参加の声かけをしていただくなど、日常的な繋がりや前向きな行動変容が本当に嬉しく感謝しており、共生コミュニティが更に広がりつつあることを日々実感しております。

引き続き当事業の目的である地域共生社会づくりをコミュニティの皆様と航空公園管理事務所の皆様、写真撮影協力していただいている木村さんと共に進めていけたら幸いです。今後とも宜しくお願い致します。

鮎川地域共生コミュニティ研究所
所長 鮎川雄一