東京2020パラリンピックの先に何を残すか?

東京2020パラリンピックが開催される中、コミュニティメンバーの木村理氏からコミュニティの画像が届いた。ほんとホッコリする良い写真だなー。

毎月1回、航空公園でフィンランドのスポーツ「モルック」をコミュニティメンバーで、シンプルに楽しんでいる。東京パラリンピックが決まってからこの8年間、東京2020パラリンピックの先に何を残すか? それを模索してきた自分なりの結論は、このコミュニティ活動のようにスポーツを活用したD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を非日常から日常へと昇華させ、コミュニティをエンパワメントさせる「あたらしいスポーツ文化をつくる」ことだ。

日本のスポーツ文化の起点は戦争に勝つための鍛錬として軍事的な要素であり「勝敗」という一義的要素が強い。そしてパラスポーツは一つ間違うと障害者理解のハードルを高いものにしてしまい、障害を「タニンゴト」にしてしまう。本来スポーツはスポーツであり、オリンピックとパラリンピックと分ける必要性もない。「楽しさ」や「ノンバーバルコミュニケーションの容易さ」もあることから、世代・性別・障害などの枠を一瞬で取り払えるわけで、パラスポーツであっても勝敗は、あくまでもその要素のひとつでしかない。そしてそれを起点にコミュニティ形成に繋げられることで、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を非日常から日常化へと昇華させられる。

また、このコミュニティ形成からD&Iの日常化の過程には、自然とグループソーシャルワークの要素も育まれている。個々のコミュニティメンバーが障害の有無とか全く関係なく、問題解決や新たなチャレンジをそれぞれが出来る範囲で緩やかに応援し合っている。これは本来、福祉の領域ではソーシャルワーカーに高い技術が求められる部分であるにもかかわらず、毎月1回モルックをしているだけでヒョイっと、それが出来てしまっている。

「あたらしいスポーツ文化をつくる」

命尽きるまで、緑の中で、時間をかけて、緩やかに。


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鮎川福祉デザイン事務所
1970.01.01
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