~所沢航空公園フットサルコートを活用した地域共生コミュニティ形成事業~

【実施プログラム 1】
≪自己紹介≫
制限時間内に必ず全員と自己紹介をするプログラム。

制限時間を決めて全員と自己紹介するため、初対面同士や障害者と初めてコンタクトをとる方も迷ってる間もなく話さないといけない。短時間のため早口になったり、早く移動したりすることで参加者達のテンポが上がり自然と活気が生まれる。また、車椅子ユーザーや早い移動が困難な障害者に対して健常者が歩み寄らなければいけないことで、障害者と始めてコンタクト取る参加者には障害者理解の入口になる。

 

【実施プログラム 2】
≪手繋ぎ行進≫
参加者全員がコート内で横一列になり手を繋ぎ(繋げない場合は肩に手を置く)平行を保ちながら一列に行進する。

その際、列は常に横一列に平行でなければならない。車椅子ユーザー・杖歩行・子供・大人など多様な身体機能の人達が一列になり平行を保とうとすることで、主目的は歩行速度(車椅子は移動速度)から参加者全体が、それぞれの身体機能を感覚的に掴むこと。これは今後ゲームをやる際、他者にパスを出す時のボールの速度や強さの感覚を掴むことにも繋がる。また、互いの手を握ったり身体に触れることで参加者の安心感と一体感が得れる。

 

【実施プログラム 3】
≪準備運動・レクリエーション≫
東久留米市でサッカーチーム(幼稚園~小学生)の指導をされてる盛田大作氏にご協力いただいたプログラム。

障害者の動きの把握するため、命令ゲーム、コート内ウォーキング、参加者同士のハイタッと握手、盛田氏が指定した人数のグループに分かれる準備運動・レクリエーションを実施。参加者同士が触れ合えることでコミュニケーション促進に繋がり、沢山の笑い声と笑顔が生まれた。

 

 

【実施プログラム 4】
≪ボール回しリレー≫
ゲームを想定したチーム分けをし、チーム対抗ボール回しリレーを行った。

各チーム1人づつ前方に置いてあるコーンをドリブルで回ってくるリレー方式。車椅子ユーザーはヒザの上にボールを乗せ、ドリブル不可な杖歩行の方はボールは使わず杖歩行のみでコーンを回ってくる。ファシリテーターの役割として各チームによって身体機能のバラツキがあるので、まず一回練習を行い各チームのスピードを把握しコーンを置く距離をチームごとに誤差をつけ、ある程度平等性を保てるようにオペレーションする。勝敗が主ではなく、その後のゲームにスムーズに入れるように互いの身体機能の理解とチーム内のコミュニケーション機会と連帯感を生むために行う。

 

【実施プログラム 5】
≪みんな一緒にゲームができるルールを考える≫

今回、障害種別に関しては脳性麻痺・片麻痺・精神障害など多様。ウォーキングサッカーをベースに実施。電動車椅子ユーザーの参加方法も決まりつつある。また、今回はゴールキーパーを置かずゴール前にコーンを置き、倒した数で得点を競うルールにした。前回の開催時ゴールキーパーがいることで、子供やシュート力が弱い方が得点することが難しいため考えたルール。

 

 

【参加者の感想】
・参加させていただき、どんな方がいても心地良く感じる空間だと私は感じました。
・コミニティへの興味が、さらに強くなりました。
・楽しく、とても有意義な取り組みですね。
・障害者と健常者が一緒にスポーツをする機会が増えればいいのにと思いました(学生)。
・初めての参加となりましたが、 アイスブレイクから最後まで、全員と交流できる機会でした。
・初めて活動に参加する人や様々な理由で他者との合流が得意でない人にとっても、動きを含めたアイスブレイクは有効だと感じました。
・「相手を理解する」ウォーキングにはなるほどなぁと思いました。
・サッカーの試合にて本日もありましたが、なかなか障害がある方にボールが渡らないことなどが疎外感を感じてしまう方もいるかと考えられました。
・皆さんがフレンドリーで楽しい時間を過ごさせていただきました!
・青空の下、笑顔がたくさんありましたね。お疲れ様でした。学生がお世話になりました。

有意義な学びの時間をもたせていただきました。ありがとうございました。

 

【考 察】
17名にご参加いただき、累計総参加数50名と当初の計画を上回る(当初の計画では40名)。
怪我人もなく参加者のアンケート(一部回収できた)からも満足度が高いと感じられた。

新規参加者も6名(全体の35.2%)おり、市外の参加者が70%近くいることなど事業の広がりを感じた。

プログラムに関しては前回同様当日の参加者によって左右されるので心配していたが、概ねスムーズに進行され、ゲームに入るまでの参加者同士のコミュニケーション機会の創出や健常者が障害者を感覚的に捉える機会ができたと思う。

今回特筆すべき点は、前回参加されたメンバーがご自身のキャリアを活かされてお力添えいただけたことと、当事業が多様な方々の学びの場となる可能性を感じたこと。

まず、アイスブレイク・プログラムに関して、東久留米市でサッカーチーム(幼稚園~小学生)の指導をされてる盛田氏にご協力いただいた。盛田氏は前回(9/22)終了後、様々なプログラムを考案していただき、ご提案いただいたので、実施をお願いした。

持続可能なコミュニティ運営を考えた時に、私(鮎川)以外のメンバーが運営側に関わっていただけることは大変重要。盛田氏自身も当事業に関わっていただくことで「私自身にはかなりプラスになっているはず。指導者として許容範囲が広くなるのは大事だから」というお言葉もいただき、指導者としての学びの場にも有用性があると、事業の新たな可能性を感じることができた。

また、日本女子体育大学スポーツ健康学科 井筒紫乃教授は、同学生の学びの場として当事業を捉えていただき、学生3名が参加。「有意義な学びの時間をもたせていただきました」とお言葉をいただいた。

通所介護(デイサービス)で働いているSaori Aidaさん(20代女性)は、共生型コミュニティを学びたいと浦和から参加され「コミニティへの興味が、さらに強くなりました」と感想を述べた。

こういった事象は当初、所沢航空公園管理事務所様と事業計画時にお話ししていた「所沢航空公園から共生社会を発信する」に繋がるものだと確信できるし、所沢航空公園における地域共生コミュニティを醸成していくことに対して大変有用的な事象だと感じている。

最後に、いつも素晴らしい画像を提供していただいている、一般社団法人ベンチャースポーツ連盟理事の木村理氏、そして所沢航空記念公園管理事務所のスタッフ皆様にもご協力をいただき、今回も無事に事業が終えらえたことに心より感謝申し上げたい。

鮎川地域共生コミュニティ研究所
所長 鮎川雄一

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