~所沢航空公園フットサルコートを活用した地域共生コミュニティ形成事業~

【実施プログラム 1】
≪ウォーキングサッカーレクチャー≫
今事業の土台となるウォーキングサッカーのルールや実施要項等をレクチャーを受ける。

ウォーキングサッカー普及活動に携わる山本氏のご協力を頂き、歴史から、走ってはいけないことだけでなく「思いやりのサッカー」という基本理念も伺う。また、ルール説明では相手がドリブル中、ボールキープしてる時など直接ボールを取りに行ってはいけないなど、多様な方々が共にサッカーを楽しめるよう様々な配慮やアイデアがルールに盛り込まれていることを学べた。

 

 

【実施プログラム 2】
≪みんな一緒にゲームができるルールを考える≫
みんなで一緒にプレーできる「新しいサッカーをつくろう」を実践する。

今回、障害種別に関しては脳性麻痺、片麻痺、切断障害など多様。ウォーキングサッカーをベースに、ルールや運営方法等も大枠決まりつつある。

 

 

【実施プログラム 3】
≪障害者サッカーミニ体験会 アンプティサッカー≫
短時間だったが希望者でアンプティサッカーを体験。

参加者でもあるアンプティサッカー元日本代表新井氏に道具をお借りした。また、義肢・装具会社大手の川村義肢株式会社所沢支店の義肢装具士の方も参加されていて、杖の有効的な使い方や新井氏が使用してる義足に関してレクチャー頂いた。
障害者理解促進においては障害者スポーツ体験は非常に有用的である。

 

 

【考 察】
9名にご参加頂き、累計総参加数59名と概ね当初計画60名に近しい結果となる。雨天の影響もあり当初申込より当日5名ほど減。また、開始時間に雨が降り出し活動時間を遅らせた。活動時間が約1時間程度しかなくプログラムを大幅に変更したが、終了後の懇親会に参加された5名の方からは満足感を得られたことを確認できた。

今回特筆すべき点は2点ある。

前回同様、参加メンバーがご自身のキャリアを活かされてお力添え頂けたことや障害当事者が新たな人生の一歩を踏み出した点である。

①ウォーキングサッカーレクチャーに関しては埼玉県職員でウォーキングサッカー普及活動に携わる山本氏が引き受けてくれた。
山本氏はウォーキングサッカーの全国的な普及活動を行っているコミュニティに参加されている実践者。歴史からルール、独自なプレースタイルまで丁寧にレクチャーしていただけたことで、当事業の土台となるルールに関して参加者の理解が促進できた。今後もこのような形で参加者の特性を理解しながら、その特性を生かし権限移譲することで、私が居なくても参加メンバーで運営できるよう持続可能なコミュニティの土台づくりをしていく。

②今年3月に脳梗塞を受傷、右麻痺・精神疾患を患っている50代女性が、当事業がキッカケで保育士のボランティアを開始された。
ご本人からは以下のような言葉を頂いた。

「鮎川雄一様 仲間のみなさまへ。本当に救われました。ありがとうございます。ユニバーサルサッカーに参加させていただき机上の空論ではない福祉のあり方を今体得しております。如何に自分が小さな存在か思い知らされました。これからもよろしくお願い申し上げます」

「一応保育士資格は取得したものの実務経験が殆どないため宝の持ち腐れとなりました。今年3月末に脳出血になり身体障害者となり意気消沈しておりました。これからどういう人生になるのかという不安の中にいた私を迎え入れてくれた仲間たち…はじめての経験でした… こどものころから引きこもり、おとなになっても引きこもり孤独な人生を送っていました。何をもって幸いというのかわかりません」

昨今、社会的孤立は日本において大きな課題であり、特に障害を持つと孤立しやすい(高齢になればなるほど)。また、孤立から二次的疾患を患う可能性もあることから、こういったお一人お一人の積み重ねが医療費等の社会保障費の削減に貢献でき、就労することができれば、地域経済にもプラスのインパクトになりうるのではないかと推察する。

最後に、いつも素晴らしい画像を提供していただいている一般社団法人ベンチャースポーツ連盟理事の木村理氏、所沢航空記念公園管理事務所のスタッフ皆様のご協力をいただき、今回も無事に事業が終えらえたことに心より感謝申し上げます。

鮎川地域共生コミュニティ研究所
所長 鮎川雄一