~所沢航空公園フットサルコートを活用した地域共生コミュニティ形成事業~

【実施プログラム 1】
≪ウォーミングアップ・しりとりボール回し≫
参加者が円になり、しりとりを行いながらボールを回していくコミュニケーションプログラム。
車椅子の場合はボールを車椅子に当てて、しりとり後に手で投げる。

ボールが来る数秒間でしりとりを答えることは非常に難しく、かつ頭と体の双方を使うのでウォーミングアップには最適。

 
【実施プログラム 2】
≪ウォーミングアップ・動的ストレッチ≫
後天性の障害により以前CP(脳性麻痺)サッカー経験者橋本氏主導のもと動的ストレッチを行った。

自由に動きながらも号令により瞬時に指定された人数のグループをつくるという手法によって、あちこちから自然に笑い声が生まれていた。

 
【実施プログラム 3】
≪ウォーミングアップ・ボール回しリレー≫
その後は3チームに分かれてのボール回しリレーによって、チームとしての結束を深めていった。チーム構成は円になった参加者が順に1~3の番号を言っていき、5人ずつランダムに別れた。このコミュニティにおいてサッカーのスキルはそれほど重要ではない。ドリブルをしながら三角コーンを回り、引き継ぎは列の最後尾まで回り込んでチームメイトにボールを渡し、全員でボールをつなぎながら最前列の次の走者に託す。この際、車椅子ユーザーのいるチームは手渡しで、その他のチームは各自が肩幅に開いた足の間をキックで通さなければならないといった工夫も施されている。尚、走行距離は子どもと車椅子は大人の1/2で行った。

 

 
【実施プログラム 4】
≪ゲーム・みんな一緒にゲームができるルールを考える≫
メインとなるミニゲームは、子どもたちの多さからこの日はハーフコートで行うことになった。3チーム総当たりの6分マッチ、キーパーなしの特別ルールである。ユニバーサルサッカー最大の特長は、①走ってはいけない、②相手が保持したボールを奪いに行ってはいけない、というところにある。

 

 
【概要及び考察】
文:執筆家・講演家 長野僚氏(脳性麻痺・電動車椅子ユーザー)
<事業概要>
ユニバーサルサッカーとは障害や疾患、年齢や各個人が有する特性に関わらず、誰もが対等に楽しめるサッカーを目指し、当日の天候や構成、参加人数などを考慮し、その場で皆の(アイデアを取り入れ)合意のもとルールを形成していくサッカーを指す。迫り来る超高齢社会や多様な人たちが混在する時代の到来を受け、地域に孤立しないコミュニティを創ることを目指し、毎月1回第4日曜日の午前中を基本に、その趣旨に賛同いただいた航空公園管理事務所の多大なる御協力のもと、コート2面を優先的に無料でお貸しいただいている。 当日の記録(写真撮影)についても、コミュニティメンバーがボランティアで行っている。悪天候の場合は中止とする。ただし懇親会のみ実施する場合もある。

<当日の様子>
とりわけ気温が低かったこの日は参加者の出足が芳しくなく、より入念なストレッチを行ってからスタートした。それでも結果的に初参加の親子1組を含む、メンバーが集まった。冒頭のストレッチは、後天性の障害により以前 CP (脳性麻痺)サッカー経験者主導のもと動的ストレッチを行った。自由に動きながらも号令により瞬時に指定された人数のグループをつくるという手法によって、あちこちから自然に笑い声が生まれていた。

その後は3チームに分かれてのボール回しリレーによって、チームとしての結束を深めていった。チーム構成は円になった参加者が順に1~3 の番号を言っていき、5人ずつランダムに別れた。このコミュニティにおいてサッカーのスキルはそれほど重要ではない。 ドリブルをしながら三角コーンを回り、引き継ぎは列の最後尾まで回り込んでチームメイトにボールを渡し、全員でボールをつなぎながら最前列の次の走者に託す。この際、車椅子ユーザーのいるチームは手渡しで、その他のチームは各自が肩幅に開いた足の間をキックで通さなければならないといった工夫も施されている。尚、走行距離は子どもと車椅子 は大人の1/2で行った。

メインとなるミニゲームは、子どもたちの多さからこの日はハーフコートで行うことになった。3チーム総当たりの6分マッチ、キーパーなしの特別ルールである。ユニバーサルサッカー最大の特長は、①走ってはいけない、②相手が保持したボールを奪いに行ってはいけない、というところにある。すなわちパスコースを塞ぐこと、先を読んでパスカットをすることに活路を見出さなければならない見た目以上に頭を使うスポーツである。相手の腰から上に蹴り上げるハイボールも禁止となっているが、それ以外の基本的なルールは一般のサッカーと変わらない。電動車椅子の私がボールを受けるとその場で味方へのフリースロー、それがペナルティエリアの場合は PK となるのが、5回目となった今では恒例となっている。

<考 察>
この日は3歳の男児もおり、最初は母親と一緒にコート内にいたが次第にそれも(飽きてしまい)難しくなった。しかし、他の参加者や航空公園のスタッフと遊ぶうちに環境にも慣れ、最後は私の電動車椅子がお気に入りとなった。まさに誰もが対等に楽しめるスポーツコミュニティという理念に共感し、会の冒頭には柴山前文部科学大臣も駆けつけて下さった。継続することで地域に根ざし、今後のさらなる発展が期待される。

 
撮影:スポーツジャーナリスト 木村 理氏

鮎川地域共生コミュニティ研究所
所長 鮎川雄一