公園の新たな使い方
先日お知らせしたとおり、いよいよ5月から航空公園野外ステージの利活用事業がスタートする。その延長線上で10月にはフェスを計画中。
なぜ野外ステージの利活用事業をやることになったか。それは単純に施設の稼働率が低下したからなのだが、低下した理由は「音に対する住民からのクレームの増加」だそう。つまり「うるさい」ということだ。そもそも野外ステージなのに音がうるさいって本末転倒だけど、航空公園が1978年開園してから45年経って社会は大きく変化している。だって、こどもの声がうるさいって幼稚園が建設できなかったり、公園が閉鎖されたりしているわけで。
でも、この空間は本当に素晴らしくて、屋根のデザインなんか航空公園ゆえに飛行機の翼のようなカタチをしていて、そのカタチ越しに見る森林がなんとも綺麗で素晴らしくって。
だから音に対するクレームがなく、かつ出来る音楽ってなんだろうって辿り着いたのが「オペラ」だ。なぜならオペラは大半の部分が歌手による歌唱で進められることを特徴としている。つまり「声」が中心となるからクレームが来ることは少ないのではないかって。
そんなド素人の発想からネット検索で出逢ったのが「NPO法人オペラ普及団体ミャゴラトーリ」の首藤史織さんと大澤恒夫さんだ。ミャゴラトーリさんは「広くオペラの魅力を伝えたい」「こどもに本物のオペラを聴かせたい」という願いから生まれた団体で、お二人は僕が突然メールしたのにもかかわらず、先日は航空公園までわざわざ視察に足を運んでいただきました。その際、大澤さんがテスト的に発した声を聴いただけで素晴らしくて全身鳥肌が…
オンラインの打ち合わせにもお付き合いいただき、オペラに関してお二人にいろいろと教えていただきました。イタリアではオペラを屋外で歌ったり、オペラ歌手を地域コミュニティで育てたりするカルチャーがあるようで、そのカルチャーは僕たちが考えるコミュニティデザインとすごく合致していて共感しかなくって。
日本にはそういったカルチャーはないそうで、この野外ステージでそんなオペラのカルチャーのようなことができるかどうか、後日一度テストをしていただけける。これは奇跡というか、もう感謝を通り越している… 本当にありがとうございます!
航空公園に携わり始めて約8年。これからの都市公園はコストをかけず、公園の既存施設や景観をそのまま活かす「ソフトづくり」が必要だと思う。そういう意味で航空公園さんとハードとソフトを互いに棲み分けて事業を行っていくことで、互いのストレングスを活かせる事業になりつつある。
それにしても、数日後のオペラのテストが、もぉー今から楽しみで仕方ない! いろいろと大風呂敷を広げつつも、やることは日々の小さな積み重ねの連続性でしかなく、また日々の新たな出逢いに心から感謝!!!
■ NPO法人オペラ普及団体 ミャゴラトーリ■ http://www.miagolatori.com/concept.html